池袋にて「 ハクソー・リッジ 」

映画、「 ハクソー・リッジ 」を観に出掛けた。
カミさんには内容を伝えず連れ出してしまい申し訳なかったのだけれど、
夫婦二人だけで映画を観るのは随分と久しぶりの事だ。


僕は、護憲・反戦反核の立場にある者だ。
この「 ハクソー・リッジ 」が日本で上映される事になったのは本当に奇跡だと思うよ。
上映館は少ないし、上映期間も短いけれど、
その奇跡のために尽力された方々に敬意を表し、足を運ぶ事にしたのであった。


本当は、ね、
僕は戦争映画が苦手なんだよ。
「 自分たちの国は自分たちで守る。 」とか、
「 国民自らが血を流す覚悟で国を守る。 」だの、
そんな勇ましい事を言える改憲派の人々とは違い、
なにしろホレホレ、
僕ら護憲派は彼らから弱虫だとか臆病者だとか言われているでしょ?
そうです、その通りです、
弱虫だし臆病者だからさ、戦争映画が本当に苦手なんだよ。


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1945年5月、舞台は沖縄。
自らの信じるところにより銃を持つ事を拒否した弱虫で臆病者の衛生兵として、
デズモンド・トーマス・ドスは激戦地を駆け抜ける。


昔、彼の事をよく知る人々のインタビューを繋げたドキュメンタリー映画を観て、
その人柄や功績についてなら知識として知ってはいたが、
リアルな激しい戦闘シーンの中の彼の姿は、
涙無くして見る事は出来なかった・・・。


「 神さま、あと一人助けさせて下さい。 」
「 神さま、もう一人助けさせて下さい。 」
そうして何度も何度も前線に引き返して、
彼が救出した負傷兵の数は実に75名に上る。
(史実ではその中に日本兵も含まれているそうだ。)


戦争の残酷さと戦場の絶望の中で、
ドスは最後まで人間としての心を失ってはいなかった。


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ドスは太平洋戦争時の一人のアメリカ兵だが、
彼の姿は現在の僕らの 日本国憲法9条 そのものなのではないかと思う。


僕は映画「 ハクソー・リッジ 」を、そう読み解いた。


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弱虫で臆病者の護憲派である僕は観たよ。
次は、勇ましい改憲派のアナタが観る番だ。


否、勇ましいアナタたちこそ観るべき映画だ・・・。


アナタたちが言う 自分の国は自分で守る日本人 や、
国を守るために血を流す日本人 がたくさん出てきます。
心配しなくてもいいです、
日本兵は敵としては描かれてはいません。
同じく傷つき苦しむ人間として、メル・ギブソンは描いています。


アナタが「 ハクソー・リッジ 」をどう読み解くのかを僕は知りたい・・・。


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上映前、
僕ら夫婦はよりによってポップコーン(塩味)をLサイズで買ったのだけれど、
ポップコーンを食べながら観られる映画ではなかった。


ポップコーンは家に持ち帰った。
チンして湿気を飛ばしてから食べようっと。


やっぱり平和がイイ。