昨日、洗濯機が壊れた。
10年ほど、家族の汗と涙を洗い続けてくれた洗濯機が壊れた。
買い替える以外に選択の余地は無いぞ、洗濯(選択)機だけに、なんちゃってだ。
それにしてもな、
長年使い慣れた家電との別れもまた辛いものだな、人として。


これは僕の想像だが、
家電たち同士もまた、別れは悲しいものだろうな・・・。


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洗濯機の 千さん と、
冷蔵庫の レイコさん は、のっぴきならない関係であった。
白くて大きい者同士、いつしか二人はお互い惹かれあっていたのだな。


洗:「 レイコさん、とうとうお別れの時が来たようだ・・・。 」
冷:「 やめて、千さん、お願いだからそんな事は言わないで・・・。 」


千 と レイコ は初恋だった。
初恋は実らない事が圧倒的に多い・・・。
悲しいけれど致し方あるまい・・・。


BGMはショパンのアレよ、別れの歌 。
ドラマ、101回目のプロポーズ の中で、長谷川初範さんが弾いていたアノ曲でどう?
実らぬ初恋は美しいものだね・・・。


なぜに実らぬ初恋が美しいのかと言うと、
雪解け水のせせらぎのように元が純白で清らかだから・・・。
さすが白物家電と言わざるを得ない・・・。


辛いだろうけれど、レイコ にはこの悲しみを乗り越えてほしい。
レイコ まで壊れちゃったらな、辛いのは僕んちの家計だもんね・・・。


でもね、この別れの悲しみを乗り越えられない家電が多いのも事実よ、
だから家電ってさ、一つが壊れると次々に壊れる連鎖が起きるのよね。
連鎖だぞ、連鎖、
オマエら一体な、どれだけ複雑な恋愛関係で繋がっているんだよ?ってオジサンは怒っちゃう。


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そして今日、
新しい洗濯機が届いた。
洗面所のドアより寸法が0.5mm大きくてだな、
すわ荒井注かと焦ったのだが無事に入った。


機械にだって心ありけり。


大切に使おうと新しい洗濯機を見ながらオジサンは思いましたとさ。


めでたしめでたし。