S実のKくんを甲子園で見られなかった事をお嘆きの、なあ、
地方在住者の野球好きなオヤジの仲間のアナタよ、
アナタがもしも単純に夏の甲子園でKくんを見られるだろうと思っていたのなら言っておく。
ハッキリ言ってアナタは、西東京をナメている、ペロペロと。
東京は東西に分かれているのだけれど、
大阪や神奈川や埼玉と同等にな、激烈熾烈な地区なんだよ。


夏の甲子園へと駒を進める事は出来なかったが、
S実の闘いぶりもまた素晴らしいものであった。
神戸にある甲子園球場だけが甲子園ではなく、
それぞれの地区予選の全てが本物の甲子園なのだと思わせてくれる闘いが全国津々浦々であった。
あらためてそれを感じさせてくれたのがこの夏のS実だったと記しておこう。


その後Kくんは、大学生との練習試合ではあったが108本目を打った。
木のバットでだぞ・・・。
「 プレッシャーになる前に打てて良かったです。 」だなんてね、
彼のコメントの一つ一つは、まさしく大人以上の人格者そのものだ・・・。


このKくんの将来の活躍もまた、想像するとワクワクしちゃうね。
日本全国のオヤジはみんなそうだろうと思う・・・。


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日本全国のオヤジたちはKくんの将来について、
まず間違いなくそれぞれ勝手な事を言っているでしょうな。
僕なんかもその一人よ・・・。


よそんちの息子さんの将来について言及しちまって恐縮ですが、
Kくんにはこのまま高卒でプロになってほしい。
18歳で既に職人としての風格の片鱗が表れているんだもんな・・・。


プロ野球も、
否、プロ野球こそ職人の世界だよ。
職人として生きるには手段(すべ)を10代の時に得る事よ、盗む事よ、誰も教えてはくれない世界だからな。
だってそうでしょ?
誰もがそれで必死になって食うために稼いでいるのだから。
そこで4年間を修行と位置付けて、歯を食いしばって頑張ってほしい。


板東英二さんがハンカチ王子について語っていた本意もきっとそれ。
六大学野球のスターとして過ごす4年間ではなく、
生きるか死ぬかの本物の職人たちに揉まれ続ける修行の4年間が彼には必要だったんだ。
職人の先輩たちは、教えてなんかくれないぞ、
でもね、見て見ぬふりで技術は盗ませてくれるよ、本当だよ、
18歳の感性と感覚と、
22歳の感性と感覚は全く違うものなんだよ、コレはマジで・・・。


僕ら かざり屋 も同じだ。
もしも僕が大学へ行って4年間楽しく 彫金教室 で技術を習得していたとしても、
今のこの 商売勘 は身に付いていなかっただろうと50代になって思う。
職人として生き残ってはいられなかっただろうと振り返り感じる。
業界では 海千山千のオヤジ だなんて言われている51歳の僕だが、
18歳の僕に宛てて手紙を書くとしたら、
これは18歳のオマエが泣きつつ技術を盗み続けてくれたおかげだと言ってやりたい・・・。
海千山千のオヤジ は現在の僕に向けての周囲の陰口だがな、
こうして今もコレでメシを食い続けている以上は 勲章チックな称号だ。


はぁはぁ、
あっ!
ゴメンなさいよ、ゴメンなさい、
ついうっかり 職人 というキーワードで熱く、暑苦しく語ってしまいました。


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興奮冷めやらぬ今日。


許して。