スマホの画面をクパ〜して。

墨田区のプレス屋さんにて、
僕は工場長のIさんにスマホを渡した。
面白いデザインのイヤリングの金具を撮影したので、
その画像を見てもらおうとしたのであった。

写真が小さいからさ、クパ〜 ってやって見てみてと言うと、
Iさんは親指と人差し指をスマホの画面の上に乗せて クパ〜 っと広げて、
「 おお、なるほど、面白いカタチだね、コレは。 」と言いながら見ていた。

クパ〜 ですよ、クパ〜。
我々50代のオジサンは、スマホの画像を拡大する行為の事を クパ〜 と呼ぶのだが、
この クパ〜 は全国的に通用する言葉なのだと過日ラジオで知り、嬉しくなった。
北海道のオジサンから沖縄のオジサンまで、50代男性は クパ〜 という言葉を使っているらしいよ。

そりゃあそうでしょ、
スマホの画面に親指と人差し指を閉じて乗せてだな、
その二本の指を クパ〜 と広げるのだからどう考えても クパ〜 だよね、この行為は。

僕ら50代男子もまたスマホ世代。
スマホとは、感性で使いこなす道具なのであるから、
僕らが等しく感性で感じる クパ〜 って指の動かし方は クパ〜 でいいのだ。
この クパ〜 って言葉によって50代男子は不動の地位をスマホ界に於いて獲得した。

50代男子の仲間たちよ、
これからもスマホで写真をガンガン撮ってだな、
その画像を クパ〜 って拡大して見ようぜ。
おう！

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一方、
息子たちのような若い世代の連中は、
このスマホの画像を二本指で拡大する行為の事を、
クパ〜 ではなく スワイプ と呼ぶのだそうだ。

世代間に於ける、感性の相違だな。

若い世代の諸君よ、
「 画像を スワイプ して見て下さい。 」な〜んて言われてもオジサンはたぶんサッパリ分からんぞ。
でもね、
「 画像を クパ〜 して見て下さい。 」って言ってもらえたら理解出来るぞ、この豊かな感性で、な。

つまり、
オジサンには優しく接してね、って言いたいだけです。
僕は。