鏡の前でニカッ!っと笑ってみる。
コレよ、ココ、この犬歯が新しい義歯。
プラスチックじゃないぜ、セラミックだよ、陶器製。
まあな、保険適用なんだけれどね。
嬉しいよ、そりゃ嬉しいさ、
これならガブッ!と噛み付けるよ、もう恐いモン無しですな・・・。


むしろ、元々あって折れちゃった自分の歯よりハンサムな歯が入った感じだ。


M先輩は職人気質のスゴ腕の歯科医だ。
義歯はもちろん外注さん(技工士さん)に途中までは振っているのだけれど、
最終段階の加工は夜中、自分でやらなければ気が済まないタイプの、なあ、
歯医者さんのドラマが制作されたとしたら主人公になるような男だぞ。
って、いつも僕は考えている。


まさしく職人ですよ、職人。
普段はふざけ合う仲だがな、心ではいつも僕はM先輩を尊敬している。
道は違うが同じ職人として・・・。


歯科医はドクターではなく、マイスターと正式には呼ばれるそうだが、
それは素晴らしい事だと僕は思う・・・。
職人って言葉の凄さを 義歯 を見つめてあらためて感じるよ、
ニカッ!って鏡の前で笑いながら・・・。


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朝晩の歯磨きも楽しくなっちゃう!
M先輩のおかげさま・・・。


保険適用でも最高の歯だ!