ちっちゃな女の子がいる若いお父さんたちはだな、
そりゃアナタ、娘が可愛くて可愛くてたまらんものだから、なあ、
絶〜対にお嫁さんになんか出さないんだもんね〜って思っているでしょ?


甘いよ、甘い。
僕に言わせりゃそれは、甘い甘いスイ〜ト過ぎる考え方よ。
今はちっちゃくて可愛いけどな、
アッと言う間に大きくなっちゃうんだぞ、仔犬とは違うんだから。
いつまでも仔犬の姿のまんまでいてくれたら良いのにって僕だって思うけどな。
それは、叶わぬ夢なのよのさ。


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お宮参り、七五三、幼稚園の様々な行事、
小学校中学校高校の入学式卒業式やら様々な行事、
お誕生日クリスマス、バレンタインデ〜やらホワイトデ〜、
成人式の晴着姿、大学卒業時のハイカラさん的な袴姿、
うわぁうわぁ、僕の頭の中の思い出のアルバムは整理出来ていないんだけれど、
そんな全ての成長の様子が走馬灯のように一瞬で去来して涙が出ちゃう・・・。


泣いちゃイカン、笑っていなくちゃイカン、
そう思いつつも涙腺ユルユルなので致し方あるまいよ・・・。


いつまでも父親が守れるものではないのよ。


信頼出来る若者に託せるのならシアワセよ。


解っちゃいるが泣けちゃうよ・・・。
シアワセだのに泣けちゃうのよ・・・。


結納の席のイタタタタ、いたたまれない五十路のオヤジ。


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浅田次郎さんの「 鉄道員・ぽっぽや 」は、なあ、
ちっちゃくて可愛かった頃に亡くなった女の子が、
成長する折々の姿を父親に見せに来てくれるファンタジーだった。
僕はもう、この小説は悲し過ぎて読めないだろうなって思う。


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ちっちゃな女の子を現在育てている若いお父さんたちよ、


抱っこしているその重みをシアワセだって噛み締めていて下さい。