取り込んだ洗濯物の山の中から大きな羽音がする。
ブ〜ンブ〜ンと、連続する羽音であるので甲虫ではない。
たぶん、大きなハチがこの中に紛れているのに違いない・・・。


それにしても取り込む際に刺されなくて良かった・・・。
だがな、この先の行動はどうしよう、同志よ。
せっかくポカポカと乾いた洗濯物なのだぞ・・・。


僕は息子に援軍を頼んだ。


僕はすぐに使用できる状態にした 凍結式殺虫剤 を手元に置き、
息子はスズメバチさえ瞬殺出来る バズーカ式殺虫剤 を構えて僕の横に立った。


そ〜っと、そっと、
一枚ずつ振りながら僕は洗濯物の山を崩し始めた。
一枚、二枚、三枚・・・、
すると、
ブ〜ン!と大きな大きなハチが飛び立った。
その瞬間、
バシュッ!と息子が バズーカ式殺虫剤 を噴射した。
うむ、見事な腕だ、ゴルゴ13レベルの腕前であった。


こんなにも大きなハチが一瞬で動かなくなった。
我々 家庭防衛軍 の勝利で戦いは終わった。


「 おおっ、おおっ、緊張した〜っ。 」
息子の言葉を聞きながら僕は、
キンチョールという社名の由来はそこから来ているのかもしれないと考えた。
のであった。


ハチのムサシは死んだのさ。


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暖かくなる日々、
マジでハチには注意してね。