何か楽しい事があると、
僕は今でも その話をクマおじさんに聞かせてやりたくなり、
そしてハッと、もうクマおじさんはいないんだと思い、
どうしようもなく悲しい想いになる・・・。
この1年近く、何度も何度もそれを繰り返しているんだよ。


大切な友人が亡くなる喪失感って、
こうして僕が心の中で繰り返しているこんな気持ちの事だ。
ああ、辛いよ、
楽しい話を聞かせてあげたいと思う相手がいなくなっちゃったって事は悲しいよ。


「 あの人がお爺さんになった姿を見たかった。 」
過日、
クマおじさんの奥さんから、そんな言葉を聞いた。


胸が張り裂けそうに痛く、悲しみは深くなるばかりだ・・・。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


クマおじさんは5歳上の、兄貴のような存在だったが、
僕が誕生日を迎えて4歳違いとなった。


この世ではもう、会う事は出来ないのだけれど、
僕がこうして生きている限りはずっと、
クマおじさんは僕の心の中にいる。


正確に言うと、
僕の心の中に も いる。


クマおじさんと親しかった全ての人たちよ、
僕も心の中にクマおじさんがいるよ。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


僕が生きる今日は、
クマおじさんが生きたかった未来なのだ。


恥ずかしくなく生きなければ・・・。