高校生たちの夏休み中の課題図書が、アヤコさんの書いた本だと聞き、
僕はうれしく、ちょっぴり誇らしい気持ちになった・・・。


あのね、僕も持ってるよ、その本・・・。
その本は今、まさに君たちの世代が読むべき本だよ・・・。
僕が持ってる本はね、えっへん、アヤコさんの直筆サイン入りだ・・・。


いろんな事を僕も、その本から学んだ・・・。
その本から学び、たくさんの事を考えながら生きてきた・・・。


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アヤコさんと出合ったのは、僕が21歳の時だ・・・。
「君に逢いたがっている大ファンの人がいるよ。」と、
当時僕が所属していた球団の職員、UさんとKさんの紹介で、
とても賑やかなパーティー会場で初めてお会いした・・・。


アヤコさんの第一印象は、ね、
お洒落で、可愛らしいおばあちゃんだった・・・。


人生のマウンドの上にいた僕の、
ただがむしゃらで力まかせな姿を大好きですと仰って下さった・・・。
完投した事も無く、
とうとう晴れ舞台での登板さえ一度だって無かった僕に、
そんな事を仰って下さったのは、アヤコさんが初めてで、そして最後だった・・・。


僕は今までに3回だけ、本当だよ、色紙にサインを書いた事があるのだけれど、
3回目に書いた最後の僕の色紙を持っているのがアヤコさんだ・・・。


アヤコさんがな、こんなにも高名な作家だと僕が知ったのは、
恥ずかしながらず〜っと後になっての事・・・。


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大正から昭和にかけて、
炎の如く生き抜いた恋多き女性・・・。
(あのね、女性と書いてヒトって読んでね。)


そして人生の最後の瞬間まで書き綴った平和の礎とも言える著作の数々・・・。


アヤコさんは強く、
そして可憐な花のようであった。
なんちゃってな・・・。


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随分と親しくさせて頂いた・・・。


僕にとってアヤコさんは、まさしく人生の師のひとりだ・・・。


講演会に向かうアヤコさんの車椅子を僕は押させて頂きながら、
各地で見た景色の美しさを心の中に焼き付けた・・・。


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高校生たちの多くが、
課題図書としてアヤコさんの書いた本を読む・・・。


なんとうれしい事だろう・・・。


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高校生諸君!
その本の作者は、ね、
とっても素敵なヒトだったんだぜ・・・。


君が書く感想文を読んでみたいものだ・・・。


くれぐれも言う、
あとがきだけ読んで感想文を書いちゃダメよ!