〜JIN〜

この医大の学祖は、吉村昭氏の小説の主人公になっている。


明治時代の初め、
この若き医者は、志を同じくする仲間たちと共に、
貧富の差の隔たりなく、誰でも治療を受けることが出来る診療所を開いた。
皇后陛下の慈悲に護られ、その診療所は発展を遂げる。
そこで働く医師の人手を増やすために作られた養成所が、この医大の出発点である。


先ず病院ありきで、その後に併設された大学であるために、
大学病院とはいえ、そのイメージは世間一般のそれとは異なる。


都心部にある現在は大規模な大学病院だが、温かさすら感じるのは、その成り立ちによるものなのだな。


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「大学病院は研究を主眼とする場所なのだから仕方がない。」
世間一般の大学病院に対するイメージとは、それ。
病気の原因を探す(研究)事が目的だからだろうな。
「病を診る」為の病院なんだな。


病人を治療する(臨床)事を目的とする この医大の大学病院は根本的に違う。
「病人を診る」為の病院で学べることは、とても幸運な事だと思う。


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活き活きと息子は出掛ける。


僕は、ただただ願い、祈り続ける。
アンパンマンのような医者になってくれよと。


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さて、と、
僕は僕の道で頑張らなくっちゃ。


僕は僕の仕事で、人の心をシアワセにしなければ・・・。