反芻して何度も読む・・・。
僕は、阿久悠さんの詩、「敗れざる君たちへ」を読む・・・。


読んで、読んで、
とうとう暗唱出来るまでになってしまった・・・。


だから僕は言う、
高校球児の君よ、
いいんだよ、君は、今の君のままでいい・・・。


誇れ・・・。
そうだよ、誇れ・・・。
君は、君の野球を誇りなさい・・・。


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「敗れざる君たちへ」を読み、僕は今になって気付く・・・。


阿久さんのまなざしは、五つ目の敬遠を投げさせられた少年の悲しみに寄り添っていることを・・・。


阿久さんは、きっと、
泣きながら「敗れざる君たちへ」を書いたのだと思う・・・。


五つ目の敬遠の、その四球目を投げた時の少年の痛みが伝わる・・・。
僕のような者にまで伝わるのだ・・・。


あらためて阿久悠さんに会いたいと僕は思う・・・。
もっと長く生きていてほしかった・・・。
もっともっと、本当の野球の喜びや悲しみについて語ってほしかった・・・。


松井秀喜は、ね、
五つ目の敬遠を受けた後、静かにバットを置く・・・。
静かにバットを置いた彼の怒りを人は、「敗れざる君たちへ」に探そうとする・・・。


だが、もっと重要で悲しいのは、そう、
その時にマウンドにいた少年のプライドなのだ・・・。


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阿久さん・・・、


僕は、いつも何度でも、あなたを呼ぶ・・・。


あなたを呼びながら僕は、少年たちの野球の場面にいる。


行くべき場所、
求むべき方向を示してもらえないでしょうか?


阿久さん・・・。


阿久さん・・・。


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