床屋さんへ行く。
床屋さんへ行くのだが、坊主頭にするのではない。
耳の周りを揃えて、全体を梳いてもらうだけだ。


髪の毛を伸ばそうと思う。


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坊主頭のお父さんではなく、
きちんとした、普通のお父さん的な髪型になりたい。
って、考えている。
51歳にして僕は、考えている人。


きちんとした、普通のお父さん的なお父さんになりたい。
大切な娘と腕を組み、チャペルを歩く日までに・・・。


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51年の人生の中、
僕が髪の毛を伸ばしていたのは、
3歳までの幼児期と、高校時代の3年間だけだ。


3+3=6
51−6=45
複雑な計算だが、僕の計算が正しければだな、
僕は45年間、坊主頭だったのである。


坊主憎けりゃ袈裟まで憎いよ、まったくな、
いよっ、憎いよ、色男っ!ってなると思うよ、僕が毛を伸ばせば。


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七三分けの髪形にして、
そんでもって燕尾服を着たら、なあ、
ピーターパンに出てくるコオロギみたいだろうけれど致し方あるまい。