■
午前中の比較的早い時間帯ではあるのだけれど、
吉祥寺のいつものタワーパーキングは上層階まで満車だった。
ようやく車を停める事が出来て僕は、エレベーターに乗り込んだ。
わっはっは、
エレベーター内の鏡に映る自分の姿が嬉しいの。
わっはっは、コレが僕か?カッチョロい。
痩せて筋肉を付けるとだな、オシャレも楽しいぢゃないか。
おっとっと、誰かがエレベーターに向かって来る気配。
僕は慌ててエレベーターの開くボタンを押しながら待った。
さすがはオシャレの街、吉祥寺、
エレベーターに入って来たのはオシャレな男性だった。
年の頃は、そうさな、30代後半もしくは40代前半、
まるでスタイリストのような恰好をしたオシャレさんだ。
ペコリとお辞儀をしたその男性は僕を見た瞬間、負けた顔 になった。
本当だぞ、本当なんだよ、コレは、雄同士ならあるある的な独特な感覚。
現在の僕は、スタイリストのような恰好の男性よりもカッチョロくなっちゃったんだね・・・。
僕もそうさ、銭湯の脱衣所なんかでは、さ、
僕よりも大事なトコロが大きい男性を見ると 負けた って思うもん。
だからこの男性の気持ちがよく解る・・・。
しっかりしろよ、そのうち何とかなるだろう・・・。
ずんずん・ずんずん、
オシャレな僕は胸を張って吉祥寺を歩く・・・。
五十路のオジサンの仲間たちよ、
痩せて筋肉を付けると毎日が楽しくなるぞ・・・。
一緒に頑張ろうよ。
シャギナベイベ亡き後、
シャギナベイベを言い続けなければならないのは僕らの世代の役割さ。