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息子のこと。
電車の中で、80代のお爺さんが倒れたのだそうだ。
居合わせた若者たち何名かでお爺さんをホームへと運び出し、
通り掛かったナースの女性の協力を得て、息子が救命処置をした。
救急車で駆け付けた救命隊に無事引き継ぎ、お爺さんは一命をとりとめた。
理不尽に人の命が奪われる事件のニュースが溢れているが、
まだまだ世の中は捨てたものじゃない。
偶然にも同じ日、
叔父(80代)が電車の中で倒れたのだが、
こちらも息子と同じ6年生の医学生の心臓マッサージによって事なきを得た。
見知らぬ誰かの大切な人の命を守った日に、
見知らぬ誰かに大切な人の命を守ってもらった。
なんだか世の中は繋がっているみたいだ。
若者たちがいる。
目の前で倒れたお年寄りを捨て置けない若者たちがいる。
僕らの国は、まだ大丈夫だ。