15歳のマウンド

どうやら風邪をひいてしまったらしい。
昨日、雪が降った。
ハヤトと2人でスキーのゴーグルを着けて空を見ていた。
鉛色の空から大粒のボタ雪が舞うように降ってくる様子はとても幻想的だった。
車の上に積もった雪を集めてミニサイズの雪だるまを作った。
家に入ってから妙な寒気を感じた。この暮れにワシは何をしてるんだろうか。


現在、中学生のチーム、クルクラで活動されている親父コーチの先輩、Yさんからメールを頂く。ものすごく繊細で暖かい人だ。子供の野球を通じて知り合うことが出来てよかったと思えるコーチのひとり。
3年生でエースとして活躍した選手のお父さんが亡くなられた事を聞く。コーチとして彼を見守ろうとするYさんの気持ちに胸を打たれる。
受験生、お正月前、15歳の少年に神様はなんて残酷なことをするのか、と。
励まそうとしても彼の前ではただ、頭を撫でてあげることしか出来なかった、と。

Yさんの言う通り、人生の中においては、これほどまでにつらく悲しい事でもまだ、 3回裏、無死満塁のピンチなのかもしれない。人生はもっともっと、険しい。
たった15歳のまだあどけない少年が厳しいマウンドで必死に踏ん張ろうとしている。Yさんはおなじユニフォームを着てベンチからじっと彼を見守っている。厳しい場面だが彼は決して孤独ではない。

Yさんのようなコーチがいる限り、野球小僧は決して負けない。