15歳の春、ただフルスイング。

朝、犬の散歩の途中で僕は、ちっちゃな頃からよく知る何人かの中学3年生に会った。
「おはようございますっ!」
おうっ!おはようさんさんサンシャイン・・・なんちゃってね!
「・・・・・。」
なんだか皆、一様に表情が固い・・・。
朝一番のギャグに対する反応が鈍いと寂しい・・・。


彼らの表情が固いのは、いよいよ明日に都立高校の入試が迫っているからだ・・・。
心の中で僕は思う・・・。
とりあえず元気を出そうよ・・・。
無理をしてでも笑ってごらん・・・。
オジサンがな、マウス・トウ・マウスをしてやろうか?
昨夜、餃子を食べちゃっていて申し訳ないんだけれどな・・・。
笑ってごらん・・・笑ってごらん・・・。
どんなに辛くて苦しい時も、笑えば出てくる元気があるんだぜ・・・。


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学校への道を歩く彼らの背中を見送る。
やっぱり、この切なさは何だ?・・・。
ちっちゃな頃の彼らの背中を思い出す。
胸が張り裂けんばかりに切なくて痛い・・・。
15歳の春・・・。
それぞれに乗り越えなければならない道程がある・・・。


がんばっておくれよ・・・。
がんばっておくれよ・・・。


誇り高く、君らしく・・・。


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昨日の日記で僕は、道程を乗り越えたからこその青春について書いた・・・。
でも、それは間違いなのかもしれないって思った・・・。
道程を乗り越えるためにね、そこへ挑む勇気を振り絞る事が出来ただけでもいい・・・。
そうでなくっちゃ、・・・そうでなくっちゃ・・・。
そうでなくっちゃ15歳の春は、あまりにも切ない・・・。


がんばれ・・・がんばれ・・・。


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学校の先輩たちも、ポニーの先輩たちも・・・。
皆の笑顔が咲いてくれる春になりますように・・・。


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あの日、バッターボックスに向かった時の気持ちを思い出してごらん・・・。
君は静かに深呼吸をしていた・・・。


誰よりも自分の事を信じていただろう・・・。


明日・・・。
悔いを残さずに、ただフルスイングをしておいで・・・。


がんばれ・・・。