ゴッド姉ちゃん。

hayatonooyaji2008-07-31

ハヤトはソファーに寝転がり、天井へ向けスナップを効かせてボールを投げていた・・・。
フワリフワリと器用に投げる・・・。


ふと、手がすべったらしく、
ボールは、テレビを笑いながら見ていた娘(高2、B型)の後頭部へ、
フンワリと当たった・・・。


コテッ!・・・。
そう、コテッ!って音がした・・・。


痛いぞ・・・、否、痛そうだぞ・・・。
なにしろ娘にとっては予期せぬ出来事なり・・・。


娘はしばらく両手で頭をさすりながらブルブルと肩を震わせていた・・・。
怒っとる怒っとる・・・。
人として、
姉として、
年頃の娘として、
怒っとる怒っとる・・・。


娘は立ち上がりハヤトの頭を叩いた・・・。


ポカッ!・・・。
今度はね、ポカッ!って音がした・・・。


う〜む、
コテッ!とポカッ!
どっちの音がさ、中身がたくさん詰まってる音なのだろう・・・。
そんな事を考えつつ、僕はただの傍観者であった・・・。


「ハヤトっ!ごめんなさいは?」
「ううっ、本当にごめんなさい・・・。」


野球で鍛えた屈強なる小僧も、姉ちゃんには勝てぬ・・・。


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だが、5分と経たないうちに、姉と弟は笑いながら一緒にテレビを見ている・・・。
基本的に我が家の子供たちは仲が良い・・・。
それは、とってもシアワセな事だ・・・。


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ハヤトが生まれた日、
僕と、
2歳になったばかりの娘は、手をつないで産院へ向かった・・・。


カミさんの横に生まれたてのハヤトが寝ていた・・・。


「ママー、コンニチハ。」
カミさんに挨拶をする娘の言葉に笑ったものだ・・・。


「?、ママ、コレ、ナ〜ニ?」
娘はハヤトを指さして聞いた・・・。


「弟だよ・・・・。」
カミさんは笑いながら答えていた。


あの日の産院での様子を僕は、忘れる事なんて出来ないだろうな・・・。


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ヤキモチを焼いたりしちゃうかもしれないな・・・。
下の子が生まれた時の上の子の寂しさを知っている僕は、娘の様子を案じて見ていたのだけれど、
それは全くノープロブレムだった・・・。


むしろ、弟の誕生を大そう喜び、世話好きな心が娘の中に芽生えたようだった・・・。


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ある日、ちょっとだけ目を離した隙に、
娘は哺乳瓶に粉ミルクを入れ、水で溶き、ハヤトに与えようとしていたんだ・・・。


彼女はちょこんと正座して、寝ている新生児ハヤトの胸ぐらをムンズとつかみ、
自分の小さな膝の上にハヤトを乗せようとしていた・・・。


それを見つけた僕は、顔面が蒼白になった・・・。


く、首が、ハヤトの首が、変な方向に曲がってる!


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あと、勝手にハヤトのオムツを娘が取り替えようとした時なんかはさ、大惨事になった。


え?今食事中?
じゃあやめとこ・・・、ここに書くことを・・・。


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写真は、ね、
その頃の様子・・・。

娘、2歳3ヶ月
ハヤト、3ヶ月
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現在、
16歳と14歳の姉弟に成長した2人・・・。


ナースなカミさんが夜勤で不在の朝、
ハヤトの朝食を作っている娘の姿がある・・・。


そんな姿がシアワセだ・・・。


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たぶん、おそらく、
ずっとずっと、ハヤトは姉ちゃんに頭が上がらないだろうな・・・。


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いつまでも仲の良い姉弟でいておくれよ・・・。


それからハヤト、
ボールで遊ぶのはな、自分の部屋でだけにしなさい・・・。