雪が降った翌日、僕は御徒町へ行った。
トモダチのインド人宝石商、トゥリくんとの逢瀬を楽しむ・・・。
なんちって。


聞いたところによると、上野や御徒町のあたりも、ね、
結構な積雪だったそうだ・・・。


トゥリくんたちインド人のヒトも皆と一緒に雪掻きをしたらしい・・・。
来日したばかりのヒトはかなり驚いた模様・・・。


まさしくインド人もビックリ!とは、この事なりけり・・・。


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「寒イヨ、インドニ帰リタイ・・・。」


そう語るトゥリくんの横顔に僕は、
郷愁という言葉の本当の意味を見たのだった。


日本の冬とは、滞在中の諸国民の心を郷愁で満たしてしまうものなのか・・・。


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トゥリくんよ、帰れ・・・。
必ず生きて帰れ・・・。


いつの日か祖国へ・・・。


そうすれば今度は僕が遊びに行けるからさ・・・、
インドへ・・・。


ガンダーラを口ずさみながら・・・。