ニュースでは事故を伝える時によく、
「心肺停止の状態で病院へ搬送されました。」という文言が使われる。


そんなニュースを耳にする度にいつも僕は、
その人がどうか助かりますようにと祈る。
ああ、そうだよね、誰だってさ、そう祈るよね・・・。


だが、ニュースが伝える「心肺停止の状態」とは、
既にその人は亡くなっておられて、
あくまでも医師が死亡を確認する以前の状態の事なのだと知った。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


仕事中にラジオで聴いた、
小さな交差点での交通事故を伝えるニュースなのだが、
一方のトラックの運転手さんが心肺停止の状態なのだそうだ・・・。


それは、もう亡くなっているという事なのかと考えると悲しい・・・。


ほんの一瞬前まで、元気で働いていたであろう人だ。
もしかしたら妻子ある人かもしれないぞ・・・。
大きな夢を持っていた人かもしれないぞ・・・。


その人の無念を想うと、胸が切なく痛いよ・・・。


生命とは、やはり儚く弱いものなのだ。
けれど、それだからこそひるまず、強く生きなければならないのだな・・・。
人間が生きるという行為は、ただそれだけで尊いものだとあらためて感じる。


多くの人が助かりますようにと祈っているその人の死を確認し、
それを伝えなければならない医師とは、相当強靭な心を持たなければ務まらないのだろうな・・・。
僕だったらたぶん、逃げ出しちゃうと思う。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


強靭な心を持つだけではダメで、
誰よりも優しくある事まで求められるのだから、
その道への一歩を踏み出した息子の毎日の勉強は、厳しくハードであって然りだ。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


夕刻、
今日は少し時間があった息子は居間のソファーにグデッと横になり、
好きな囲碁の定石の本を読んでいたのだが、
いつの間にか爆睡をしていた・・・。


薄目を開き、口も開き、ちょびっとヨダレも垂れて爆睡グ〜グ〜グ〜。
疲れてるな〜、かなり疲れてるな〜、人として。


そんな息子に毛布を掛けてやる僕は、スイ〜トな親父だ。