昔、
まだ若かった20代の頃、
外注として仕事をさせて頂いていた会社の人から声を掛けてもらい、
社員旅行に社員じゃないのに同行した事がある。
温泉だったよ、温泉だ。


その会社の若い同世代の連中とは普段から気が合っていたので、
楽しく飲んで肩を組んでカラオケを唄ったりして盛り上がり、
そうした事も嬉しかったのだがな、


普段からなんか嫌な感じの威張った50代のオジサン部長がいて、
あまりお近づきにならないようにと心掛けていた僕だったが、
そのオジサンから声を掛けて来てな、
一緒に夜中の温泉に入ったのよ、お湯に熱燗を浮かべるアレさ。


そのオジサンのチン百景が、あのな、
いつも偉そうにしかめっ面で威張っている部長のソレがな、
ちっちゃくてキュートな、ソラマメの豆蔵だったんだよ。
一方、
僕のチン百景は全盛期バリバリ20代の45口径マグナムだったろ?
お互いに見つめ合った瞬間に何かが変わったのだと思うよ、
それ以降は立場的に下の外注の僕にもオジサンは謙虚に接するようになったんだ。
「 コイツ、大きな男だ。 」って、
意識してヒエラルキーの上を目指していた小さなオジサンのプライドは、
無意識のヒエラルキーの前に崩れ落ちたんじゃないだろうか・・・。


男ってのは、そんなモンよ。
社会的な地位や立場が重要なのではなく、
裸になった時の、本能で感じるヒエラルキーこそ本物なのだよ。
本能だよ、本能、え?変だって?
それこそ本能寺の変


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僕らが20代の、
まだ世の中にバブルの余熱が残っていた頃の話よ。


その会社も潰れちゃったな・・・。


あの部長はどんな爺さんになっているのかな?