宅急便の人の中に若者あり。
おそらく未だ10代だろうとは思っていた。
一見、やんちゃそうに見えるのだけれど真面目な働きぶりで、
僕はいつも心の中でがんばれエールを贈っていた。


暑い日も寒い日も、カーゴを引いた自転車を漕ぎ、
彼は、界隈に荷物を届けていた。


その若者が、なあ、
いよいよ自分でトラックを運転して、
僕の仕事場へ集荷へ来てくれるようになったんだよ。
僕は、何だか彼の親父になったような気持ちで嬉しかった・・・。
たぶん、父性本能がくすぐられているのだと思うぞ・・・。


野球のアンダーシャツ(ピタッとしたヤツ)を着ている。
話を聞いてみるとだな、一昨年夏まで高校球児だった19歳との由。
もうね、野球好きオヤジの父性本能はくすぐられっぱなしだ・・・。
くすぐったいぞ、嬉しいぞ!
幼少期の球歴を聞くとアナタ、懐かしい学童チーム、中学クラブチームの名前が出てきた・・・。


がんばれがんばれ!
野球を続けた若者の未来は間違いなく前途洋々だ。


今度、暑い日に彼が集荷に来てくれたら、なあ、
エナジードリンクをプレゼントしたいと思う。


カキーン!だな、
久しぶりに心の中に快音が響いた。