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その日、僕は泣かないつもりだったのだけれど泣いた。
3月末、娘の結婚式で、さ。
結婚式ってぇのは華やかなモノだが、祝福の祭典だが、
たくさんの人たちの中で唯一悲しい想いをするのは花嫁の父なのだと思い知らされた。
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新郎新婦と花嫁の父の3人は別室で神父さんといろいろな話をする。
フランス人の、日本語の上手な、とても大らかな神父さんだった。
その時に僕は、ようやく気持ちの整理がついたような気になったのであった。
ああ、洋の東西を問わず神さまってありがたいありがたい・・・。
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オルガンの鳴り響くチャペルを、娘と腕を組んで歩いた。
娘がオギャ~と産まれた日から今日までの日々が頭の中に走馬灯のように流れた。
僕は泣いていた。
僕が娘のために出来る事はもうないんだと考えると、
涙が止まらなくなってしまったのだよ・・・。
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もうあんな想いは二度としたくないな・・・。
娘が一人で良かったと思うよ、僕は弱いからね・・・。
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今はただ、
笑顔の絶えないシアワセな家庭を築いてほしいと切に願うばかりさ・・・。