■
全ての実習を終えて、息子が家に戻って来た。
夏休みだよ、夏休み、息子にとって人生最後の学生時代の夏休み。
合宿があり、最後となる大会もあり、野球少年としての本当の最後の夏。
26歳まで硬式野球で公式戦を闘えるのだからな、シアワセな事だ。
26歳で硬式野球の公式戦を闘っているのはだな、
プロ野球や社会人野球の選手と、二浪した医学生ぐらいのものだ。
「 オ父タン、僕ネ、野球ヲ習イタイ。 」と言って、
学童野球チームのユニホームを着てから20年後の夏なのだ。
重い小児喘息だった息子には、野球が合っていた。
チームメートの大切さや対戦相手への尊敬を学び、心を磨いた。
いつの間にか喘息もすっかり治っていた。
息子は、野球によってひとつ上野オトコになった男なのだ。
最終学年の大会では、大暴れしてほしいと父ちゃんは願う・・・。
衣笠、山本と共にクリーンアップを担ったホプキンスは医師でもあった。
現在はアメリカで、整形外科医として活躍中だと聞く。
昔から、野球の好きなお医者さんはたくさんいたのだ・・・。
息子の野球の最後の大会を僕は観に行く予定だ。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
息子に、息子がもしも生まれたらどうだ?と尋ねたところ、
「 野球を習わせたいな。 」との答えであった。
ただ、息子は多忙になるであろうから、
なかなか自分の息子とはキャッチボールする時間すら出来まい・・・。
と、なると、
ジジイの出番じゃないか!
よし、今のうちから肩を作っておこう。
息子の息子(孫)の初グローブはジジイである僕が買おう。
野球は素晴らしいスポーツなのだ。
コレでイイのだ。