我が家の前は月極駐車場である。

草を刈り整地して砂利を撒いて区分しただけの普通の月極駐車場である。

そこに先月あたりから、マセラティを停めているオジサンがいる。

年齢は僕よりも少し上なんじゃないかと思う。

どうやらこの界隈のマンションに住んでいる人らしい。

 

マセラティだぞ、マセラティ、イタリア製の超高級車だ・・・。

他人事ながら、イタズラされてしまうのではないかと心配・・・。

ご本人は自分事なので、僕なんか以上に心配している模様だ・・・。

一日に数度、愛車の様子を見に来るほどの心配具合だ・・・。

 

もちろん盗難防止対策や保険などは万全なのだろうけれど、

変なイタズラをされたら気の毒なので僕も気を付けていてあげようと思う。

 

本来ならマセラティは、ガレージの奥にしまうべきクルマだ。

造りも日本車とは比較にならないほど繊細だろうからな、

砂利の地面に停めておくのは傷みも激しいんじゃないかと思われる・・・。

 

でも、スゴくてイイ選択なんじゃないか?

そのオジサンのセンスの良さを感じちゃうね。

今度、話しかけてみよう・・・。

 

昔、西風という人が描いた名作漫画「 GTロマン 」の中に、

風呂なしアパートに住みながらお金を貯めてマセラティを買い、

それを月極駐車場に停める若者が登場するのだが、

まさしくそれと同じ状況なのでロマンチックだ・・・。

こんなロマンは女性には理解出来まい・・・。

 

ヴィッツをガレージにしまっている僕も、

マセラティを月極駐車場に停めるオジサンも、

たぶん、お財布の中身の大きさは同じぐらいなんじゃないかと思われる・・・。

 

人生いろいろ、

オジサンだっていろいろ。

 

それにしてもマセラティは美しいクルマだ・・・。