ハッピーズKコーチの物語

昨日の試合を振り返る。
ハッピーズの投手はヤマトくん。本当に素晴らしい投手だ。僕は応援している。
制球も緩急も自由自在。いわゆる「大向こうを唸らせる」タイプの投手だ。
もちろん捕手のKくんをはじめ、すべてのチームメートを信頼しているからこそ、大胆に投げられる事が出来るのだろうけれど、ね。


息子、ハヤトにとっても彼のようなピッチャーの存在はありがたかった。(不遜な言い方になってしまって申し訳ありません。)
打席に立ち、素晴らしい投球を目の当たりにして、「組み立て」を身をもって理解することが出来たこと。
打ったこともある。空振り三振でゲームセットだったこともある。
真剣に競うことで、どれだけ息子が成長することができたか。感謝である。
小さな大投手に。そして彼を育成した素晴らしい指導者に。感謝している。他チームの父兄にすぎない僕だけれど。


ハッピーズの若きコーチ、ジュンペイくん。僕は仲良くさせてもらっている。
ドラゴンズの子供たちも、一時期彼に練習を見てもらっていたりして、とても慕っている。
昨日、僕はジュンペイくんから、とてもいい話を聞いた。
東久留米の野球小僧を応援する僕が、ここに書いておかなければならない話だと思った。


ヤマトくんのような「大向こうを唸らせる」素晴らしい投手を、ハッピーズは数多く育ててきた。
そこには、あるひとりの父親の執念と、愛情と、情熱があった。


僕は明るい人柄としてのKさんしか知らなかった・・・・・・。
仕入れの箱を積んだバイクに乗ってやって来て、子供たちをやさしく見守っている姿。
Kコーチはジュンペイくんの親父さん・・・・・・。


「子供に悲しい想いをさせてたまるか!」
Kさんの野球人としてのスタートは、こんな気持ちからであった。


ジュンペイくんのお兄さんが小学生時代に肩を痛める・・・・・・・。
その後、中等部に進むも結果、野球を断念・・・・・。
野球が好きでたまらなかった我が子が野球をあきらめた瞬間。
父親として、Kさんは苦しんだろう、悲しかったろう、悔しかったろうと思う。
納得出来なくて当然だ。怒って当然だ。
子供の痛みは親にも解らない。だが親だって痛いのだ。


現在、総合ヘッドコーチの立場にある、Kコーチ。
Kさんの凄いところは、すべての子供の痛みを真剣に考えてのスタートに、ある。


その時、Kさんは初めて野球と向き合う。
正しい投球の理論を学ぶ。正しい投球の指導を学ぶ。親父はすごかったと、当時を振り返りジュンペイくんは言う。
「これ以上、子供たちに悲しい想いをさせない!」その一念で・・・・。
あらゆるところに足を運び、頭を下げ教えを乞い、ついに現在の投手育成の技術を得た。


Kさんの痛みの千分の一、万分の一ぐらいは、僕にも解ることができるだろうか。
Kさんの心は久米先生と同じだ。尊い。そんな心の在り方を「志」と呼ぶのかもしれない。


東久留米ハッピーズ・・・・。
もし対戦する機会があったら・・・・・・・。
マウンドに立つヤマトくんを見てください。本当に素晴らしい投手です。
「志」高きKコーチが育てた投手です。
ヤマトくん、どうかがんばって野球を長く続けてください。
投げなければいけない。君はジュンペイくんのお兄さんの夢の分まで。


「息子さんと、たくさんキャッチボールをしてあげて下さいね。」
ジュンペイくんが僕に言ってくれました。
「うん。いい話を聞かせてくれてありがとう。」


マウンドにはヤマトくん・・・・・・・。
おっ、ハヤトが打席に向かう・・・・・・。


野球小僧の季節。
Kさん!今度、お寿司食べに行きます。


これからも野球小僧たちをよろしくお願いします。