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「お〜いっ!Tくんに会ったぞ!」
電話をくれたクマさんの声は弾んでいた・・・。
Tくんはね、現在高校1年生。
キラキラと輝く野球少年。
いいなぁ〜、クマさん・・・。
僕もTくんに会いたかった・・・。
クマおじさんの心の一番柔らかな部分にTくんがいる。
僕の心の一番柔らかな部分にもね、もちろんTくんがいる。
そう、僕ら30期生の親父たち全員の心の中にいる。
心の中の、一番大切なトコロにね、Tくんがいる・・・。
「事務所へ向かう時、高校の前でさ、偶然会ったんだよ。
大きな声で挨拶してくれたよ。とてもうれしかった。」
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Tくんはね、サイコーの野球少年。
どれだけ僕たちに勇気と元気をくれただろう・・・。
スゴイ野球少年ではなかったかもしれない・・・。
でもね、サイコーの野球少年なんだ・・・。
みんなみんな、Tくんが大好きだった。
後輩たちも、僕ら後輩たちの親父も。
スタンドで一番元気な声を出していた。
その声こそポニーリーガーだった。
昨年の日本選手権、共に闘ったフェニックスの後輩たちにありがとうと言った。
その一言こそポニーリーガーだった。
八景監督が撮った写真の中で、同級生のエースの肩をアイシングするTくんが写っている。
なんて優しい顔をしているのだと思う・・・。
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「栄冠は君に輝く」の歌詞の一節にある。
まなざしは歓喜にこたえ
そのまなざしは、きっとTくんのような少年のまなざしなのではないか。
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野球は少年を強くする。
野球は少年を大きくする。
野球は少年を優しくする。
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Tくんが教えてくれた。
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「やっぱりキラキラしてたよ。」
クマおじさんの声も弾んでいた・・・。
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高校生になっても、野球の空気を一杯に吸う。
キラキラと元気に野球の風に吹かれている。
ポニーリーグを作った人たちは、Tくんみたいな野球少年を育てたかったんだね。
キラキラと輝く瞳。
野球が好きでたまらない少年の瞳。
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Tくんがんばれ!
カキーン!の精神だ!