カキーン!の心を持ち続けよう・・・。

僕の仕事部屋にある機械の定期メインテナンスのために、
A社の営業マン、Eくんが来た・・・。
30代前半の彼、営業マンなのだけれど口下手。
世辞のひとつも言えぬ男だ・・・。


昨年まで担当してくれていたSくんはね、僕と同い年って事もあり、
気さくにいろいろと話が出来ていたんだけれど・・・、
Sくんはめでたく昇進し、彼の直属の部下であるEくんが今年から僕の機械の担当になった・・・。


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よいしょ!
どっこいしょ!
いっせ〜の〜せっ!


な〜んて事を言いながら、僕とEくんは2人で、
無駄にデカくて無用に重い僕の機械を分解、清掃、組み立てた・・・。
所要時間は2時間。
僕らは汗と埃と油で真っ黒クロスケに変身してしまった・・・。


「大丈夫ッス!異常無しッス!」


見ると、Eくんの鼻の下から右の頬っぺたにかけて一筋の黒い線がある・・・。
たぶん、「へへっ、ど〜んなもんだいっ!」ってさ、指で顔を擦っちゃったんだな・・・。
チムチムニー チムチムニーってな、まるで煙突そうじ屋さんみたいな僕らだ・・・。


口下手で口数の少ないEくんなのだけれど、
その働きぶりに僕はとても感心した・・・。


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冷たいコーヒーを飲みつつ、
あらためてゆっくりとEくんと話す・・・。


彼が野球をず〜っと学んだ少年だった事を知る・・・。


小学校の低学年からお兄さんに憧れて野球を始めた事。
中学校の野球部で肩を壊してしまった事。
野球への想い断ち切れず、高校でも野球部に所属したとの事。


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野球を学ぶって事の意味とか、
そして何事もあきらめず最後まで続ける事の意義が、
現在のEくんの姿の奥にね、垣間見えたような気がした・・・。


こんなにも誠実に自分の仕事と向き合えているんだもんな・・・。


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Eくん!
機械のメンテをありがとさん!
また半年後に会おう!


君の生き方の中にね、カキーン!が見える・・・。


しっかりと見えるぞ!