手紙の束。

シマさんからもらった本を読み終えて僕は、
押し入れの奥深くにしまっていた手紙の束を取り出した・・・。


もう封筒は色褪せていて、
便箋も無造作に束ねた輪ゴムのせいで皺になってる・・・。


高校生だった僕に、
母が送り続けてくれた手紙だ・・・。


ありがたい事だったのだと、今にして思う・・・。


今の僕よりも若い母の文字の、なんと凛として強い事か・・・。


感謝しても感謝しても感謝しても足りない・・・。


感謝してもきっと、恩は返せないのだろうな・・・。


ちっぽけな息子だな、僕は・・・。


シマさんからもらった本を大切に本棚にしまい、
母からの手紙の束からいくつかの言葉を探してみたいと考えている。