夜10時過ぎに近くのドラッグストアへ買い物に出掛ける。
コピー用紙なんかも売っていて、とても便利だドラッグストアは。


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あ、今日もだ・・・。
と、思う・・・。


このお店の、いつもは水色白衣を着て働いている薬剤師さん(だと思う)の青年が、
勤務が終わったのであろう私服姿で、ね、
レジ係のアルバイトの可愛らしい女の子に話しかけているのであった。
それはそれは熱心に、真剣に、だ。


お客さんが商品を持ってレジへ現れると青年はサッと離れて背中を向けてガチャポンを見ているフリをするのだが、
お客さんが店外へ出るやいなやアズ・スーン・アズ、
再び女の子へいろいろと話しかけるのである。
それはそれは熱心に、真剣に、だ。


青春だね、青春。
とも思うのだけれど、
明らかに話しかけられている女の子の表情は困惑そのものだ。


この時間帯にドラッグストアへ来る事はあまり多くない僕でも、
この様子は複数回見ている。
レジ係が男性の時には私服薬剤師兄ちゃんはいないので、
なんて分かり易い行動なのかと簡単に感嘆する・・・。


薬剤師兄ちゃんの顔は、藤子F不二雄先生が描くギャグ漫画のような顔で、
間違いなく彼女いない歴イコール年齢といったタイプで、
50歳のオジサンとしてみればそれは無条件で応援したくなっちゃうのだけれど、
女の子の仕事の邪魔になっちゃちょびっとイカンかなとも思う。


それにしても神様よ、
このお兄ちゃんの顔がギャグ漫画のような顔ではなく、
もしもジャニーズ系の顔だったとしたらどうでしょう?
きちんとTPOをわきまえてアタック出来るのではないでしょうか?
かわいそうに、かわいそうに・・・。
真剣なのに、熱心なのに・・・。


男は顔じゃないのよ、ハートよ、ハート。
まあ、がんばれよ、青年・・・。
女の子に粘着して追いかけたりするのはダメよ。
青年追いやすくガクッとなりやすし、なりけりよ。


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僕がコピー用紙と電球を買い物カゴに入れてレジへ行くと、
案の定、青年はサッと離れてこちらへ背中を向けた・・・。
僕はその背中に、
心の中で、
がんばれよと語ったのであった・・・。