■
土曜日、
まだ四月だけれど五月晴れ。
そう、
100人のヒトがいたら、間違いなく100人全員が思い浮かべるような五月晴れ。
絵に描いたような爽やかな五月晴れ・・・。
まさしくアッパレ(天晴)なる五月晴れ・・・。
だったんだよ、
午前中までは・・・。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
家の仕事部屋にいた僕へ、
美容院へ出掛けているカミさんから電話が来た。
もしも〜しって出てみると、
ものすご〜く大きな声で、
「 雨〜っ!
布団干しっぱなし〜っ! 」と叫んでいた。
窓の外を見ると、
さっきまであんなに爽やかに晴れていたのに薄暗い・・・。
洗濯物なら雨で濡れちゃっても、ね、
もう一度洗えばイイからあきらめもつくけれど、
布団だったら大変ですよ、吹っ飛んじゃいますよ、布団だけに・・・。
「 しまって〜っ!
お布団しまってぇ〜っ! 」
この辺りはまだ曇りだけれど、
美容院の辺りは既に本降りの模様・・・。
カミさんの悲鳴チックな電話を僕は切るや否や、
アズ・スーン・アズ、
階段を駆け上ったよダダダッと・・・。
幕末、池田屋を襲撃した新撰組隊士よりも、
僕の方が早く階段を駆け上ったと胸を張れるスピードで上りました。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
ベランダに干されていたのは、息子の布団一式であった。
そして、ポツリポツリと雨が降り始めた・・・。
とにかく僕は布団一式を部屋の中へ引き摺り込んだんだよ。
僕が無事に布団を部屋の中へ引き摺り込むや否や、
アズ・スーン・アズ、
その瞬間に激しい雨が降り始めたのであった・・・。
セーフ!
もうね、ガッツポーズしたよ、
ガッツポーズをしたのは僕の場合、生まれて初めてだよ。
初めてなの、やさしくしてネだよ・・・。
いいモンですな、ガッツポーズをする気分って・・・。
天気の四番打者を僕は力でねじ伏せたのだね・・・。
そこへ帰宅したカミさんとハイタッチした。
それにしてもな〜、
お布団一式がダメにならずに済みました・・・。
マジで助かりましたよ・・・。
・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・
夜、
その布団で息子はスヤスヤと寝ています。
息子よ、
その布団な、
父ちゃんがファインプレーで救った布団なんだぞ。
布団が吹っ飛んだ な〜んてダジャレでお茶を濁すような男にだけはなるなよ。
それが父ちゃんの願いだ。