電車に乗って御徒町へ。


どうしても午後1時までには帰宅しなければならないので、
高価な品物を持って電車に乗るのは恐いのだが、致し方ない。
肩から掛けたカバンを手でギュッと押さえ続けている。
電車だと眠たくなっちゃうので要注意だ。


ポカポカ、ポカポカ、
午前中だが車内は空いていて明るく暖かい。
イカイカン、眠気覚ましに強烈なミンティアを口に入れる。
頭がス〜ッとして意識を取り戻す。


現代の電車はホレホレ、
ガタンゴトンじゃなくってシュラシュシュシュ〜でしょ?
なおさらすぐに眠たくなっちゃうよな。
早くこのウン百万の品物を渡してしまいたい。
それまでは絶対に意識を失えない・・・。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


まさか誰も、こんな五十路のジーパンの坊主頭のオジサンの、なあ、
カバンの中にウン百万の品物が入っているとは思うまい。
だがな、御徒町の場合、
スーツ姿のオジサンよりも、
こうしたちょびっと変わったオジサンの方が高価な品物を持ち歩いているので狙い目です。
でも、狙わないでね・・・。


周囲に怪しいヒトがいないか確かめながら歩く。
そんな僕が周囲から見れば一番怪しく見えるんじゃないかとも思う。
背後に気を付けながら雑居ビルの階段を登るよ息も上がる。
ハァハァしながら盟友トゥリくんに品物を預けて要件終了。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・


帰途の電車は眠れると思えば嬉しい。


けれど前方に座っている若い女性がスカートなのに足を広げており、
まったく困ったモンだ。


キラキラ星じゃない、
チラチラ星のようです。
まばたきしては〜 オジサンは見てる〜 ってか?


寝たフリをして見ているんじゃないかと間違われるのも癪なので席を移った。


良いオジサンです。